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    研究会の主旨

       ガラス転移において最も興味深く、逆にその研究を難しくしているのは、緩和時間がガラス転移温度(Tg)に近づく際に発散的に増大することである。近年、この問題に挑戦するいくつかの新しい方法が試みられている。実験的には蒸着法で高密度の超安定ガラスを作成する方法、理論的にはランダムピニングで実効的なガラス転移温度を引き上げる方法などである。スワップモンテカルロと呼ばれる長時間極限を目指した計算機シミュレーションも注目を集めている。これら以外に、従来の高温からTgに向かう際の静的・動的不均一性をターゲットとした構造解析や誘電緩和などの動的測定も継続的に行われている。また、蛋白質、粉体、スピングラス、電荷ガラスなどの関連する複雑系の研究も活発である。ガラス自身の物性としても、従来のボゾンピークなどの問題に加え、エイジングや結晶化の問題も再注目されている。
       以上の様な状況において、ガラス転移に関わる実験、理論、計算機シミュレーションの研究者、さらには、蛋白質、粉体、固体物理(スピン・電荷のガラス)などの周辺分野の研究者が一同に会し、将来の研究の方向について議論することは有意義である。物性研は20年以上にわたりガラス分野の研究会を主催してきたが、2022年には世界最大のガラス関係の国際会議IDMRCS(International Discussion Meeting on Relaxations in Complex Systems)のホストを務める。本研究会はその前哨戦にあたる位置づけである。なお、IDMRCSのホームページは以下の通りである。
    https://9idmrcs.jp/
     本研究会はもともと2020年5月に予定されていたが、コロナ禍により中止となった経緯がある。また、上記のIDMRCSも2021年から2022年に延期されている。 研究会申請時点(昨年12月)では対面による通常の開催を予定していたが、現在の感染の状況では難しく、残念ながらオンラインによる開催となった。


    研究会の概要

    日時:2021年5月10日(月) 9:30 〜 5月12日(水) 17:30(3日間)

    場所:Zoomによるオンライン開催

    主催:東京大学物性研究所

    定員:250名

    使用言語 : 日本語または英語(外国人の発表も歓迎します)

    参加費:無料

    世話人:山室 修(東大物性研)、田中 肇(東大名誉教授)、金谷 利治(京大名誉教授)、宮崎 州正(名大院理)、早川 尚男(京大基研)、深尾 浩次(立命大理工)、野嵜 龍介(北大院理)、新屋敷 直木(東海大理)、浦川 理(阪大院理)、城田 秀明(千葉大院理)、山室 憲子(東電大理工)

    連絡先:山室修(yamamuro[at]issp.u-tokyo.ac.jp, 04-7136-3494)

    事務連絡先:本田裕子(y-honda[at]issp.u-tokyo.ac.jp, 04-7136-3374)

    登録システム管理者:楡井真実(m_nirei[at]issp.u-tokyo.ac.jp, 04-7136-3298)

    [at]をアットマークに置き換えてください。


    参加申込

    招待講演申込 22件  一般講演申込 21件  参加申込 208件(5月7日現在)
    講演申込および参加申込は締め切りました。多数のご応募ありがとうございました。

    発表申込
    発表は口頭発表のみで、招待講演(約20件)と一般講演(約20件)の2種類で行います。一般講演の発表希望者は4月23日までに登録ページからお申込下さい。一般講演は、定数に達し次第、締め切らせて頂きます。また、研究会の趣旨に合致しない講演は、お断りさせて頂くことがあります。アブストラクト集を作成予定ですので、招待講演、一般講演ともにアブストラクトを4月28日正午までに提出して頂きます。発表時間は人数次第ですが、30分程度を予定しています。

    講演なしの参加申込
    発表なしで参加のみの方と講演者以外の共同発表者の方も、5月6日までに登録ページからお申し込み下さい。5月7日にZoomのURLをお送りいたします。   


    プログラム

    プログラムはこちら(PDF)




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